料理が得意な夫

結婚して33年

初めの頃はわからなかったが夫は料理が得意だったのだ。

結婚当初は私の超テキトーな料理を日々我慢して食べてたんだろうなと思う。

息子が小学校の時、お父さんがこんな料理を作って美味しかったとよく先生に話したらしい。

懇談の時に先生からお父さんは料理がお上手なんですねと言われ苦笑する。

 

ひとり息子が中学生になってから私がフルタイムの仕事を始めた。

帰宅も遅かったので早く帰れたほうが料理するという暗黙のルールができあがり

私はどんどん料理から遠ざかった。

夫の料理はバラエティ豊かでメニューも豊富だ。

冷蔵庫にある食材でささっと作れる。

買い物にも自分で行く。

社交的な夫は

スーパーのおばちゃんに半額シールを貼ってもらう技も持っている。

 

ひとり息子も家を出て夫婦二人の生活になってからは

キッチンは完全に夫のものとなった。

いつのまにかいろんな調理器具と香辛料が増えている。

何年か前の誕生日には"魔法のフライパン"が欲しいと言った。9ヶ月待ちだった。

届いた時は本当に喜んでくれた。

スギ薬局のポイントで包丁に交換したり

メルカリでマジックブレットを購入してイワシのつみれ汁を作っている。

 

私が料理するのは年に1回お正月のお雑煮くらいだろうか。

おせち料理も夫が準備する。

盛り付けもセンスが良い。

 

夫が先に死んでしまったら私の食生活はどうなるのだろうと今から不安だ。

 

そもそもこんなに料理をしなくなったのは

夫が食道アカラジアになり食べた物が食道から胃に落ちにくくなってからだ。

どんな物が落ちるのか私にはわからない。

例えば

うどんは落ちるがソバは落ちにくいとか

キャベツは落ちるがレタスは浮くから落ちないと言う。

落ちなくなると水も落ちないので脱水する。

3日も落ちなかったら体重は激減。

病院に行って胃カメラでゴシゴシして詰まっている物を取ってもらわなければいけないのだ。

なので

食道を通過しやすい物を自分で調理してもらったほうが良いだろうと

私の都合のいい判断だ。

 

私は料理は好きではないが

野菜を育てるのは好きなほうだ。

この夏はゴーヤ、きゅうり、ししとうミニトマト、オクラを栽培した。

 

今日も夫は楽しそうに料理を作る。

ドラマを真似て豆苗を育てている。

毎日美味しいものをありがとう